尾ひれ100%ブログ

服に7つのシミを持つ男プレゼンツ

神田川

上京から3日経った。

16日はまるもくんとせいちろくんを呼び、兼ねてより計画していた持ち前の広いバルコニーを活かした「自宅deバーベキュー大会in早稲田」を決行し、大盛況のうちに終わった。

翌日、夏のイベントもこなした気になり暇を持て余した我々は、何を間違ったかサンシャイン池袋の「ナンジャタウン」へ名前を書くのも憚れるしょうもないイベントに行き、案の定残念な気持ちになった。

ニトリに行って、僕の新生活の家具を見るつもりが案外気にいるものがなく最終的に買ったのは下敷きみたいなまな板ひとつという惨事。

もしも新学期初めて会って間もない友人とこのような休日を過ごしたら今後ギクシャクすることこの上ない。

しかし旧来の男友達という関係性はこのような凄惨なデートプランにも耐えて笑うのだった。

おれは留学から帰って寂しん坊(英訳さびしんボーイ)になったか、どうにも一人暮らしが寂しい。


今日は久しぶりについていなかった。

ここ最近「ついてね~」という経験をあまりしていなかったので、今日のついてねー体験はこたえた。

今日は夜8時ぐらいに旧バイト先へ挨拶もとい、再度雇用してもらうことを懇願しに行く予定だった。

それまではジャッキー・チェンの映画とかを観て無為に過ごした。

かっこつけてちょっと遅れて行こうと思い、7時50分ぐらいに家を出て、あと30分ぐらいで着きますという電話を入れた。

iPhone7のSuicaをタッチして悠々とバスに乗り、一番後ろの広い席に脚を組んで腰掛け、どんな土産話をしてやろうかなどと余裕綽々な要らん空想をしていると、ふと逆方面のバスに乗っていることに気づいた。

間違ったことが他の乗客に知られると恥ずかしいので、住宅街の何もないようなバス停だったが、用があるふうを装ってのっそりと降り、とりあえず何があるかも知らん方向に迷いなく歩き出した。

恥を忍んでその状況をバイト先に電話で伝えると、もう用件は電話で話せと、身もふたもないことを言われた。

人手はとりあえず2月まで足りているので、多くのシフトは入れられないこと、業務内容がかなり変わったので研修が必要なことを知り、少し迷った末、他のバイト先を探すことに決めた。


完全な無駄足をかましてしまったことを思うと交通費を使うのが癪だったのでダラダラ歩いて帰った。

それでもこの片道200円分、何かカタチのあるものを残そうと、馬場に住むたけぞうくんの家に押しかけ腹いせに部屋の真ん中でうんこをしてやろうと思い電話をかけたが出なかった。

仕方ないからTSUTAYAで映画でも借りるかと思い、時間をかけて吟味して選んだ一作をレジに持っていくと、Tカードの更新が必要で借りられなかった。

更新には現住所の記載されたIDが必要で、更新すらできなかった。

諦めて帰ろうとすると、延滞のペナルティがあるのでそれだけ払ってくださいと引きとめられ、1080円を請求された。

一年前の延滞である。

映画を借りに来て、何も借りずに金だけとられて追い出される。ただ損した気分になって最悪だった。

神田川沿いをとぼとぼと歩いて帰った。


やるせなき 哀愁流るゝ 神田川

一句詠んでいた。