尾ひれ100%ブログ

服に7つのシミを持つ男プレゼンツ

バイト辞め夫

これは私の二つ名である。

始めたバイトをあまりにすぐ辞めることから、蔑みの意味を込めてこう呼ばれるようになった。

私は腑抜けなので、何か新しいことを始めようとするとすぐ怖気づき、おうちに逃げ帰ってしまいたがる。

そして布団の中でぶるぶる震えながらこうひとりごちるのだった。

「今日はこれまで!よく頑張った!おやすみ!」



このようでは、とてもではないが、人間社会で生きてゆけぬ。

猫のように何もせずとも誰かが養ってくれるほど私には愛敬がない。どころか私の持つ愛敬は牛糞のそれと等しい。

牛糞程度の愛敬で、この先生きていけるのか。


留学から帰還し、語学学習をそっちのけでこしらえた筋肉の防護服により偽りのコンフィデンスを身につけ、異様に髪を刈り上げた私は、今ならやれる気がする、そう思った。

そう思っただけで3ヶ月ぐらいはスプラトゥーンをやって過ごし、バイトを探しもしなかった。

しかしついに昨日、私はバイトを始めた。

そのバイト先は、ビジネス書を出版する某出版社の子会社でありながら、東京駅の立派なオフィス街にひっそりと佇むしょぼいビルの一室にある。

明らかに人手が足りておらず、社員の激務は相当なもののようだった。

人事は奴隷商人を自称していた。

激務でも以前のバイト先のように慌ただしく脇アイアイという感じではなく、基本的にひねもすパソコンと向き合って黙々と作業するような根暗な職場であった。

かっこつけて「夏休みの間は週5で」などと言って厳ついシフトを組んでしまったので明日も出勤しなければならない。

仕方ない。私は金を使いすぎたのだ。

おやすみなさい😴