孤独のマーチ

不衛生な部屋で生活していれば相応の免疫がつくかといえばそうでもないようで、この季節の変わり目、私は安直にも風邪をひいたのだった。

何の芸もない男である。

不衛生な部屋で不健全な生活を送り、ただそのまま、気候のちょっとした変化に対応しきれなかったことが引き金となり、体調を崩したというだけである。

こういった予想し得る類いの嫌な帰結を我々はしばしば、わかっていながら避けない。

特に私は避けることがおよそない。

公共料金は払わないし、今月の家賃も未払いだし、窓ガラスを割ってしまったし、今日なども演習を途中で退出して教授の機嫌を損ねてしまった。

明日はバイトがあるのに早く寝ない。

「君も人間なら、日頃からもっと理性を働かせるべきだ」

たしかに。ぼくもこれからは心を入れ替え、朝からベランダで靴を洗うぐらいの健全さを見せていきたいと思う。

なんにせよ、今後ともよろしく。