尾ひれ100%ブログ

服に7つのシミを持つ男プレゼンツ

電子たばこの支配

バイト先にバッチャンという変なあだ名の男がいた。

彼は元ドカタでスニーカーオタクのバカ田大学生である。

バイト先は私含めバカ田大学の文学部生が多く、彼らは皆喫煙者であった。

バッチャンもその一人であったが、ある日から電子たばこを喫うようになった。

理由はどうでもいいのだが、電子たばこの使用者と何度も喫煙の場を同じくすることで思うことがいくつかあった。

まずよく言われていることであるが、電子たばこは全然臭くないし、煙もほぼ出ない。バッチャンはこの点を35回はアピールしていた。

次に、喫えるようになるまでの待ち時間が1分ほど存在する。

紙タバコの人が火をつけて喫い始めている間、バッチャンはいつも電子たばこを握りしめて1分ほど暇そうにしていた。

この時間なに?と思う。

さらに喫い始めて40秒ぐらいでタバコの効果は終わるらしい。

1分待ってやっと喫えたと思ったら、ものの1分も経たぬうちに火は消えるので、いつもバッチャンは再び電子たばこを握りしめて暇そうにしていた。

この時間制限はなに?と思う。

吸い始めるタイミングと吸い終わるタイミングの決定権は電子たばこにあるのである。

まるで支配である。電子たばこが人を支配している。

これでは、喫煙の本来の目的である「心のひとやすみ」など到底叶えられない。

出勤時間、退勤時間を決められて、自由を奪われた日常と変わりやせん。

そんなことがあってたまるか!


ということはバッチャンには言わなかった。