ぜんぶ雪のせいだ。
筋トレ、山登り、スキー。これらは私の考える「三大不毛なスポーツ」である。
まず筋トレは言わずもがな、ただ重いものを持って(必要もないのに)闇雲に上げ下げし、ひたすら細胞を破壊することだけに努める不毛の権化みたいなスポーツである。
だいたいスポーツと呼べるかどうか。それが私は疑問だし、むしろ呼びたくない。
次に山登りだが、これはマクロの視点で考えた時、面白みが0に集約するキケンな性質を含んだスポーツであることを忘れてはならない。
ただ坂道を登る。ボールを使ったりする余地などない。走ることもしない。ただ、登る。
しかも一回登るだけで何時間もかかる。やっと登ったかと思ったら、今度は降りる。ただ降りる。せっかく登ったのに。
ふざけているのか?と思う。
最後にスキーである。
これも呆れるほど不毛である。
わざわざ極寒の雪山に行って、何をするかと思えば摩擦係数を弄した単なるそりあそびに興じるのみ。
足の血管が全部止まるほどガチガチに靴を締め、へーこらとリフトに乗り、登ったかと思ったらすぐ降りる。すごい勢いで降りる。
そんなに面白くないか、山頂は。
おまえは時にそれを何時間もかけて目指して歩くじゃないか。
そう、スキーはコスパが悪い。リフトに乗っている時間と滑っている時間の比率は48:1である。
雪山までの移動距離を含めたら5億:1になる。地球と太陽の大きさか。
そうした不毛な三大スポーツを私は愛している。
正月にはやまDとたけZOと共にスキーに行ってきた。
初めての試みとして、車で行った。理由は、パーキングエリアに寄りたいから、ただそれだけだった。
使ったのはうちの車である。うちの車はおれがイオンモールの電柱にぶつけたので後ろが凹んでいる。
やまDは金がないので免許を持っておらず、運転ができるのはおれとたけぞうだけである。
行く道は大変だった。何せみんな田舎の出なので、正月は帰省している。集合が大変である。
もっともやまDは帰省する金もないので結局東京で自動車整理のバイトをしていたが。
制服姿のやまD
集合場所は「たけぞうの実家」と決まり、そこへ前泊してスキー場を目指すことになった。
たけぞうの実家に行くまでおれは一人で運転しなければならない。
そんな長い距離を運転したことはないので不安だったが、なんとかたどり着くことができた。
ただし休憩を一度もせずに行ったので、おしりが少し”痔“気味になった。
たけぞうは地元の温泉施設「極楽湯」に連れて行ってくれた。
「回数券があるねん」と得意げだったが、極楽湯はめちゃ混みだった。
駿台銭湯同好会(会員2人)の会長を務めるおれはサウナが好きで水風呂と行ったり来たりを3回はしないと気が済まないのだが、たけぞうは2分ぐらいで降参し、鍋みたいな風呂にずっと浸かっていた。鍋ぞうである。
22時ぐらいになるとバイトを終えたやまだがやってきた。相変わらずタフな男である。
夜はたけぞう家の映画館みたいなサイズのテレビでスプラトゥーンをした。
明朝、やまだはタフなので、朝シャンのルーティンを頑なに崩さず、ものすごい寒いたけぞう家のお風呂で冷水のシャワーを浴びていた。
おかあさんはドン引きしていた。お父さんはたけぞうに似て顔がめちゃめちゃ四角かった。
スキー場に行くまでの道のりは、だいたいたけぞうが運転してくれた。
たけぞうは馬鹿なので、自分のことを「運転したいマン」だと言っていた。運転したがりで助かった。
当初の目的通り、パーキングエリアには寄れるだけ寄ったが、特にすることはなく、おしっこをしてたばこを吸うだけだった。
後半になるとパーキングエリアもしょぼくなり、本当にトイレと喫煙所しかなくなった。雪遊びはした。
スキー場に到着し、その日からさっそくグイグイに滑りに繰り出した。
その夜、ナイターに行って、ホテルの鍵を失くした。
鍵を失くして天に召される山D
まず筋トレは言わずもがな、ただ重いものを持って(必要もないのに)闇雲に上げ下げし、ひたすら細胞を破壊することだけに努める不毛の権化みたいなスポーツである。
だいたいスポーツと呼べるかどうか。それが私は疑問だし、むしろ呼びたくない。
次に山登りだが、これはマクロの視点で考えた時、面白みが0に集約するキケンな性質を含んだスポーツであることを忘れてはならない。
ただ坂道を登る。ボールを使ったりする余地などない。走ることもしない。ただ、登る。
しかも一回登るだけで何時間もかかる。やっと登ったかと思ったら、今度は降りる。ただ降りる。せっかく登ったのに。
ふざけているのか?と思う。
最後にスキーである。
これも呆れるほど不毛である。
わざわざ極寒の雪山に行って、何をするかと思えば摩擦係数を弄した単なるそりあそびに興じるのみ。
足の血管が全部止まるほどガチガチに靴を締め、へーこらとリフトに乗り、登ったかと思ったらすぐ降りる。すごい勢いで降りる。
そんなに面白くないか、山頂は。
おまえは時にそれを何時間もかけて目指して歩くじゃないか。
そう、スキーはコスパが悪い。リフトに乗っている時間と滑っている時間の比率は48:1である。
雪山までの移動距離を含めたら5億:1になる。地球と太陽の大きさか。
そうした不毛な三大スポーツを私は愛している。
正月にはやまDとたけZOと共にスキーに行ってきた。
初めての試みとして、車で行った。理由は、パーキングエリアに寄りたいから、ただそれだけだった。
使ったのはうちの車である。うちの車はおれがイオンモールの電柱にぶつけたので後ろが凹んでいる。
やまDは金がないので免許を持っておらず、運転ができるのはおれとたけぞうだけである。
行く道は大変だった。何せみんな田舎の出なので、正月は帰省している。集合が大変である。
もっともやまDは帰省する金もないので結局東京で自動車整理のバイトをしていたが。
制服姿のやまD
集合場所は「たけぞうの実家」と決まり、そこへ前泊してスキー場を目指すことになった。
たけぞうの実家に行くまでおれは一人で運転しなければならない。
そんな長い距離を運転したことはないので不安だったが、なんとかたどり着くことができた。
ただし休憩を一度もせずに行ったので、おしりが少し”痔“気味になった。
たけぞうは地元の温泉施設「極楽湯」に連れて行ってくれた。
「回数券があるねん」と得意げだったが、極楽湯はめちゃ混みだった。
駿台銭湯同好会(会員2人)の会長を務めるおれはサウナが好きで水風呂と行ったり来たりを3回はしないと気が済まないのだが、たけぞうは2分ぐらいで降参し、鍋みたいな風呂にずっと浸かっていた。鍋ぞうである。
22時ぐらいになるとバイトを終えたやまだがやってきた。相変わらずタフな男である。
夜はたけぞう家の映画館みたいなサイズのテレビでスプラトゥーンをした。
明朝、やまだはタフなので、朝シャンのルーティンを頑なに崩さず、ものすごい寒いたけぞう家のお風呂で冷水のシャワーを浴びていた。
おかあさんはドン引きしていた。お父さんはたけぞうに似て顔がめちゃめちゃ四角かった。
スキー場に行くまでの道のりは、だいたいたけぞうが運転してくれた。
たけぞうは馬鹿なので、自分のことを「運転したいマン」だと言っていた。運転したがりで助かった。
当初の目的通り、パーキングエリアには寄れるだけ寄ったが、特にすることはなく、おしっこをしてたばこを吸うだけだった。
後半になるとパーキングエリアもしょぼくなり、本当にトイレと喫煙所しかなくなった。雪遊びはした。
スキー場に到着し、その日からさっそくグイグイに滑りに繰り出した。
その夜、ナイターに行って、ホテルの鍵を失くした。
鍵を失くして天に召される山D