飯
リモートワークになってから飯を食わなくなった。
前の会社は東銀座にあったので、飯だけが唯一の楽しみだといわんばかりに毎日うまい飯を求めて彷徨い、彷徨いすぎるがあまり休憩時間をオーバーして顰蹙を買ったものだ。
特に銀座〜新橋周辺のハンバーグランチについては行き尽くしたといっても過言ではない。
当然その頃はデブとなっていた。
して、今はどうか。
リモートワークも最初の頃こそ家で好きな時間に飯が食えるのをいいことに、毎日ステーキだのサムギョプサルだのを焼いてハイボール片手に一人飲み会を開催していたが、今はそんな元気もない。
そもそもスーパーに行くのも面倒なので食材がない。
卵や納豆があればいい方で、ガムを噛んで飢えを凌ぎ、空腹に任せていつのものかもわからない冷や飯を手掴みで食らうことが日常である。
腹が減ると疲れる。
しかし、飯を食っても疲れる。
飯を調達するのも疲れるし、洗い物も嫌だし、作るのも面倒くさいし、食うこと自体も疲れる。
一方でコンビニ弁当やカップラーメンなどの体に悪そうなものは食べたくない。
あんなもので空腹を凌ぐぐらいならば、おれは栄光ある冷や飯を選ぶ。
買い置きしておけばいいのだが、どうも腹が減っていないとそういう発想にならない。
スーパーの前を通って、後で考えたら絶対何か豚肉の一つでも買っておくことが間違いなく正解のタイミングであっても、その時腹が減っていないと買い物ができない。
なぜなら「今」を生きてるから。俺は常に。
未来の自分は他人だから、餓死しようがウンコ漏らそうが関係ない。
しかし猛烈に後悔する。「今」を生きてるのに。
何か仕組みを考える必要があるな。
今日は納豆ご飯とガム2粒しか食べていない。
成人男性がそれだけのエネルギーで活動できるわけがないのである。頭も回らん。
まず、明日買い物に行こう。米がないからな。
そして、ペヤングを段ボールで買ってこよう。
おわり