尾ひれ100%ブログ

服に7つのシミを持つ男プレゼンツ

優柔不断のメカニズム

私は優柔不断である。

しかし、人のことをして優柔不断とカテゴライズすることは簡単である。

そもそも我々は、便利な言葉に甘えて物事の本質を問う姿勢を忘れがちではないか?

なんだか物事をパッパと決められない人をして、「君は優柔不断だなあ!」と言う時、これを言った人と言われた人をツナグものは「優柔不断」というただ一語のみ。

言った人のココロと言われた人のココロの共通項を表現するのに、本当にその言葉だけで足りるだろうか。

こういった場合に限らず、本来複雑であるはずの事象を、使いやすい言葉で乱暴に抽象化し「わかった気になっている」ことはないだろうか?

本論はそうした現代人の怠惰な言語表象姿勢に対してギモンを投げかけ、投げっぱなしのギモンを集めてこねておだんごをつくることを目的とする。


私は優柔不断である。物事をパッパと決められない。

なぜかというと、私は人より多く検討事項が頭に浮かんでしまう性分であるからだと思う。

例えば、コンビニで夜食を買う時に何を迷うか。

まず食べたいもののボンヤリしたイメージを見る。そのイメージは食感であったり温度、カロリー感など、かなりミクロな次元で見える。

それら細かな条件に近い食べ物を探していく。

例えば最も優先したいイメージが「カロリー感」であった場合、その時点でまずおおよそ検討する夜食は絞られる。揚げ物であったり、ご飯がガッツリ載っているものである。

しかしその後の細かなイメージを照合するティアーは私のキャパシティの問題で全体検索的に行うことができない。

一つを手に取り、口に含んだ時の満足感がどうかをシュミレートする必要があるのだ。この行程が非常に時間がかかる。

また、これが食べたいとなっても検討する項目はそれだけではない。

夜食にだって予算はある。某美食家デニム東大生のように「食べたそうなもの」を全て購入してもしも食べなかったら友人の家に置いて帰るというようなSuica残高常に1万円男でもない限りだ。

また「これでおなかいっぱいになるか」という問題もある。牛乳パンを合わせて買うかという検討が始まり、そしてこの項目は必然的に予算の管理に影響を及ぼすのみならず、食べ合わせのイメージの検討にも手をつける必要が生まれる。

この作業を完遂しようとしたら、コンビニに1時間はいるだろうし「コンビニ博士」と呼ばれること必至である。

そもそも採算に合わない。夜食を買うだけで夜食3回分のカロリーを消費してしまう。

そこで期待されるソリューションは「自動化」もしくは「AI」である。現代のソリューションは大体「自動化」か「AI」を導入すれば何とかなる。

夜食選定業務における「AI」とは、不動産の物件検索サイトにあるような細かな条件にチェックをつけることで、「今ある選択肢」から最も適切な「今食べたいもの」を算出してくれるアプリケーションの開発である。

このプログラムは、この検索機能を使えば使うほど好みが反映され精度が増す。さらにGoogleアカウントと連携することでよく訪れるご飯屋などの情報からも好みが明確化していく。

「食の好み」もデータで管理する時代である。あとはうちの弟である天才プログラマー・コウネプソンがやってくれるはずである。

ちなみに夜食選定業務における「自動化」とはすなわち「思考停止」のことである。

つまり、毎回アブラ学会に行くことで検討のコストを削減し、一定の私満足度を実現し続けることである。