尾ひれ100%ブログ

服に7つのシミを持つ男プレゼンツ

TWILIGHT FLIGHT

妹が留学に旅立った。

見送りに、家族みんなで空港へ行った。

空港というのはなぜあんなに寂しいのか。

フライトの時間の18時頃には、空まで茜がかり、広すぎるロビーには人もまばらだった。

成田空港のヤバイのは、ロビーから手荷物検査をした後に通るガラス張りの階段である。

手荷物検査をする場所からは、搭乗者以外は立ち入りできない。

ガラスによって、旅立つ者と見送る者が残酷に隔絶されるのである。

アレはメチャメチャ寂しい。やめてほしい。



留学に行く日本人には二通りある。

ひとつは外向的な性格を極めすぎた例。

溢れ出るコミュニケーション力、他者と繋がりたい欲求、外の世界と一体化したいハレンチな欲求を持て余し、日本を飛び出さざるを得なかった例。

だいたいこういう輩は元からマッチョでカリアゲである。女性ならばガッソリした横分けロングにウルトラストレッチハイパースキニージーンズを履いている。

もうひとつは、逆に内向的な性格を極めすぎた例。

答えの出ない内省に疲れ、半ば自暴自棄となり、自身を異化できる新天地を求めて闇雲に海外に飛び出す例。

こういう輩はだいたいが目の奥に闇を抱えている。スポーツはしないのに変にマッチョだったりカリアゲはカリアゲでも丁髷だったりする。

海外に行ったとしても爽やかなコミュニケーションを苦痛に感じるので、大して英語力も上達しないがちである。

浮き彫りになる自己の姿を突きつけられながら、そしてそれを時折見ないようにしながら、精一杯の生活を送る。

目的もないので、持て余すエネルギーは発散されず、精神的な活動ばかりが尚更活性化する。

何を成せるでもなく夢の中のように時間が過ぎる。

妹は明るくて良い子だが、前髪はフンワリカールだしウルトラジーンズも履かないので、心配である。