尾ひれ100%ブログ

服に7つのシミを持つ男プレゼンツ

「ボヘミアン・ラプソディ」回想

伝説のバンド「Queen」の映画が昨年11月に公開された。

映画館で予告編を観たその瞬間から楽しみで仕方なくなり、公開日までの半年間ぐらいをQueenのみを聴いて過ごした。

結果、ボヘミアンラプソディーを空で歌えるようになり、胸毛が一回り濃くなった。(ある特定ジャンルに偏った音楽鑑賞によって濃くなった胸毛を鎮静化するには「やくしまるえつこ」などを聴くと効果的である)

結局この映画をおれは4回観たことになる。それはスゴイ良い映画だったからというよりは、単にQueenがスゴイ良いからという理由による。

Queenはスゴイ良いので、CDを買ったら一回聴いてオワリとなる人は少ない。大体の人が何度も聴くはずである。

それと同じでQueenの曲がいっぱい詰め込まれたひとまとまりの作品があれば、二回三回と鑑賞したくなるのは当然である。

初めて観た時は弟とだった。弟は洋楽オタクなのでQueenも好きであり、作中のジョン・ディーコンいじりをいたく気にいる程度にはマニアであった。

Queenを良く知らない人は、映画を観ても「ジョン・ディーコン、かっこいいじゃん」と思うかもしれないが、実際のジョンは抱きしめたくなるような笑顔を常に浮かべた、引っ込み思案のタンポポベーシストである。

ベーシストとしての実力はたしかなものらしいが、いかんせん他のメンバーが胸毛のゲイとモジャモジャとイケメンという強烈なキャラクターなので全く目立たない。

しかし映画のジョンは基本的にきちんと自己主張していてかっこよかった。

Queenといえばフレディのイメージが強いが、「Queenらしさ」を形作っているのはブライアンの力が大きいように思う。

サウンドについては、ブライアンがギターだからといえばそれまでだが、“Hammer to fall”や”39”の歌詞に見られる世界観は一級品である。

映画のエンディングには“Don’t stop me now”が起用されていたが、再録のギターが良い味を出していた。

ロジャー・テイラーは”I’m in love with my car”で散々馬鹿にされていたが、たしかにおれもあの曲を「ヘァアアアアアン」と言っているイントロの後を聴いたことがない。

車の好きなほどをいくら聞かされてもたしかに「歌詞が弱い」と思ってしまうが、同じQueenでもフレディ作のバイセコバイセコ言ってるだけの”Bicycle race”は優れた楽曲に思える。

なんなら「Flash!ア、アー!」と言っているだけでもフレディが作れば名曲なので歌詞が弱いことは欠点にならない。

“RADIO GA GA”も歌詞は弱いしPVはクソダサいと思うけど曲はカッコイイ。映画を観ていて皆んな泣いたのはおそらくライブ・エイドでこの曲が流れたシーンではないだろうか?

フレディの孤独が”Bohemian rhapsody”で切なく叫ばれた後、“RADIO GA GA”の力強いイントロでバンドが一体となるこのシーン!最高である。

その時、生きる歓びに満ち溢れたパフォーマーとして、フレディが復活する。その姿を見て、我々は涙を流したのだと思う。

このシーンだけでこの映画はフィルマークス星5である。

2回目観た時もここで泣いてしまったが、3回目は視界の端でレディオ・ガガのライブの振りをしている人が目に入って萎えた。

4回目は「応援上映」だったので、周りが気になって映画の世界に入り込めず、全く泣けなかった。一緒に来たシュウヘイくんは泣きすぎて「真夏のサウナ」みたいな顔面になっていた。