尾ひれ100%ブログ

服に7つのシミを持つ男プレゼンツ

今日までそして明日から

今日は迎え火を焚きに、笛吹のおばあちゃんちに行くことになっていた。

それは夕方からの予定だったのでそれまで、朝起きたらまずスプラトゥーンをしようと、いつものようにWiiUを起動すると、どうしたことか、ゲームパッドの電源がつかない。

何度試してもゲームパッドは沈黙を守るので、いよいよ本格的に故障したという説が現実味を帯びていった。

以前ゲームパッドをブン投げて調子が悪くなった時は一度完全に放電させることで復活させることができたが、今回は本当にだめなようだった。

人は、永遠を信じているうちはそれについての真の価値を知ることがない。

終わり、つまりは「死」というものが現実のものとして理解できた時初めて、本当の意味で「生」が始まる。

ゲームパッドを壊しかけ、なんとか復活させたあの時、僕たちは「ゲームパッドは永遠ではないんだ」ということを悟った。

以来、正しいゲームパッドの扱い方ができるようになり、ゲームに精神を支配されないための強い心を育むことを意識するようになった。

だが、今日、ぼくのゲームパッドは突然何の前触れもなく息を引き取った。

終わりというものは、往々にしてこのようなものである。

「死」は、冷酷にして理不尽であり、こちらの事情など構いやしない、おばあさんのふりしたオオカミは赤ずきんを食べてしまう。


ぼくは幽霊を信じられないので、キュウリに割り箸をブッ刺した出来の悪い工作に乗って死んだ人がやってくるとは思っていないが、こういう行事めかしたことを通じて、親戚で集まったり故人を想うことは善いことだと思う。

死んだおばあちゃんもおじいちゃんも、もう記憶の遠くにいってしまった。

二人ともよく知らないうちに逝ってしまったとは思う。

明日にも世界では誰かが死ぬのである。