尾ひれ100%ブログ

服に7つのシミを持つ男プレゼンツ

ダブリンの古着屋で

昨日は、久しぶりに市街へ行って、ネットで調べた幾つかの古着屋を巡ってきた。
おれは楽しみが服しかないダセエ男だ。
服が趣味の男は大体ださい。唯物的だからだ。おれはそういう人間になりたくなかった。
あとは筋トレ。
筋トレが趣味の男は大体ださい。ゴリラだからだ。時代はいろんな意味でもっとスマートな男性像を求めている。
他には温泉とサウナ。
温泉とサウナが趣味の男は大体ださい。おっさんだからだ。若者は海を好むべきだ。これは義務である。
かといって海は抱きしめるものではない。海を抱きしめる奴は全員おっさんもしくは中村雅俊である。
若者にとっての海とは、湘南の風を流しながら海までドライブ、バナナボートで、フランクフルトを頬張りながら、記念にハイチーズ、である。

十店舗ぐらいは回ったか、どの店も日本と同じ古着のにおいがした。
ダブリンの古着屋地帯はおおよそ三つのエリアに分かれる。
「西のほう」と「テンプルバー」と「南のほう」である。地理に詳しくなさすぎるためにまったく解説にならない。
「西のほう」は、大学から素直に市街を目指して南下すると上手い具合に拾える位置に古着屋が幾つかある。
もっとも日曜休業の店が半分ぐらいあって今日は2店舗しか覗けなかったが。
市街行きのバスを途中で降りて、歩いて行ったのだが、完全に迷った。
道中留学生らしき男にテスコの場所を尋ねられた。通行人が無限にいる中で何を思ってこの学生丸出しアジア人に尋ねたのか、おれは彼のこの先が心配である。
おれは深刻な方向ウンチなので、一回瞬きをするともう前がどっちかわからなくなる。
30分ぐらいウロウロしてようやく一店舗目を見つけた。

今日の目当ては革ジャンであった。
季節も冬めいて冷たい風が吹くようになり、街中どいつもこいつも革ジャンを着こなしやがる。
毎日50着ぐらい革ジャンを見せられればそれはもう欲しくなるというものだ。
「Dublin Vintage Factory」
ネットの事前調査で一番所謂古着屋めいていた店だった。
店内は小さく置いてある服の数も大したことなかったが、北欧ならではの、めちゃ暖かそうなコートが充実していた。
おれはそれを記念に一着買った。

次はそのままリフィー川沿いを東へ歩いてテンプルバーに向かった。
ここはダブリン屈指の観光地で、観光客向けの華やかなパブが乱立しているエリアである。伊香保温泉で言うところの石階段である。
前来た時は気づかなかったが、古着屋もたくさんあった。
サブカルを通り越してコスプレな店や、日本のシカゴみたいな店もあった。
どの店もレザージャケットは多く扱っていたが、サイズの問題もありなかなか気にいるものがなかった。
手にとってコレじゃないなぁと思ったものが、隣のガイジンが試着した途端めっちゃカッコよく見えて、そういうことかと気づいた。
これだけ白人を毎日見ているとスタイルに関して限界を思い知らされる。
おれたちはキモノを着るしかないのか。

テンプルバーを少し南に行ったところにも幾つか古着屋がある。
前訪れた「ダブリンの中野ブロードウェイ」もこのエリアにある。
多くが庶民的なフリーマーケットに近いものだったが、その中でブラックジャックしか着なさそうな真っ黒いコートがあったのでそれを購入した。気に入っている。
冬モノは好きなのですぐ手が出る。そして持ち帰る荷物はガンガン増える。

その後たまたまアジアンマーケットを見つけたので、ゴールデンカレーとジャパニーズ・米10kgを購入した。
何も考えずにジャパニーズ・米10kgを買ってしまったことにより機動力がゼロになっておれの日曜日は終了した。
本当はランニングシューズやパソコンも見たかった。あと時計も欲しい。

ランニングシューズは今日大学近くのショッピングセンターで購入した。
365時間ぐらい優柔不断を発揮したのち、グレーのナイキにした。
運動靴は全部ださく見えるので決めるのが難しい。
一生懸命選んでいたコーナーがファッション用の靴だと知らされるのが遅すぎた。
アイルランド男児が履いているアレは別に機能性をとっていたわけではなかったのだ。
運動用でない運動用の見た目の靴の需要は理解できない。
もっと革靴を履け。もずーですらローファーを履くぞ。

ガイジンの友達ができないことが最近不安である。
留学行ったけど、別に英語話せるようにはならんかったわ、でも筋肉はついたけどね、ヘラヘラ、と語っている一年後の自分の姿が目に浮かぶ。
フラットメイトのアイリッシュガールは留学生に社交的でないし、男はほとんど見ない。
ボクシングクラブはストイックなマッチョしかいないので会話にならない。
ペアのワークアウトにおいて筋肉で語り合うという気持ちの悪いことをするのみである。
明日はテニスに行ってくる。
たくさん運動ができるのは楽しいし、ちょっとの勉強もなかなか面白い。
肝心の会話が課題である。