尾ひれ100%ブログ

服に7つのシミを持つ男プレゼンツ

ぼくだけの失敗

昨日財布を盗まれた。


春の木漏れ日のなかで、日本の治安の良さに、甘えていた僕は、愚か者だったんだよネ・・・・

第一、危機管理がなっていない。マヌケすぎる。

クレジットカードやバスのICカードはもちろん、持ち歩く必要もない日本の運転免許証や保険証も入っていたため、それらもむしり取られてしまった。
証明書類の再発行代は補償が効くのでまだ良いが、現金およそ一万円は返ってこない。

という具合である。(今回はWebからの投稿のため、慣れないレトリックを用いがち)

昨日はダブリン市街にいた。
授業でアイルランド文化の紹介動画を作ろうというワクワクさんみたいな企画を強制されたので、ストリートミュージシャンにインタビューしたり、パブの取材という名の飲み会をしたりしていた。
財布を盗られたのは、パブで少し酒をいれてからテンプルバーに歩いていく途中であった。

テンプルバーはアイルランドにとってなけなしの観光地なので、スリが横行することで有名である。
しかし、こちらに来て、アイルランドの良いところは??という質問をしまくられる度に「治安が(ヨーロッパのなかで比較的)良いところ」という答えを返していたせいで、妙な自己暗示がかかり、最近では然るべき警戒心というものがまったく解かれていた。

それに加えて、おれが使っているバッグ、アイルランドで購入したものなのだが、めちゃめちゃ恰好良いことと引き換えに、防御力がゼロなのである。

口は紐ですぼめて、その上をマグネットのボタンでとめるだけ。

ギチギチに硬いリジットデニムなど、機能性を無視することで見た目を格好良くする訓練を受けてきたおれは、この鞄に関しても完全に安全性を考えずに購入していたことは否めない。でもこれが一番かっこよかったから仕方ない。
これを買う時にヨシ(※注1)がいたらこう言っただろう。財布が盗まれたとしても仕方ない。だってそれを差し引いてもダサい鞄身に着けてるより幸せでしょ、と。

おれのほうにこうした隙があったことは確かである。
だが、そうはいっても、盗むほうが絶対に悪いとおれは思った。
人を騙したり、モノを盗んだりするのはとってもいけないことなんです。




※ヨシとは、「ラルフローレン デニム&サプライ原宿店」に巣食う服の妖怪である。趣味はクラブで踊ること。
我々はこの胡散臭いナマズひげの男に格好いい服を提示されて、幾度となく試着を強制された。
また彼のセールストークには、セールストークでありながら、ただ自分の店の服を買わせようとする一般的なアパレル店員とは一線を画したきちがいさを感じさせるほどの妙なカリスマ性があった。
そのTAKUYA∞的オモシロさに遵って我々は彼の言う(または言いかねない)言葉を引用する際、「子曰く・・・」の前置きを用いてしばしば面白がった。