尾ひれ100%ブログ

服に7つのシミを持つ男プレゼンツ

パリ旅行記 四日目 蚤の市編

期末のレポートはまったくすすまないけど四日目を書きます。

四日目は蚤の市。
パリで有名な蚤の市は三つ、クリニャンクールとモントレイユそしてヴァンヴ。
年季の入ったガラクタが無限に出品されるらしい。これは古臭いもの好きとして行かざるを得ない。

三つの蚤の市のうち、偶然にもモントレイユは泊っていたホテルから歩いて行ける距離にあったので、まずそこへ向かった。
ワクワクしながら歩いて行ったら、モントレイユの蚤の市、全然やってなかった。なんでだ!!
謎である。
まあ人生そういうこともある。

次はヴァンヴ。ここもやってなかったら頸動脈を掻き切って死んでやろうと思って行ったが、ちゃんとやっていた。
また、メトロ出口の階段で老婦人の荷物をお持ちすることにより日本人の株を爆上げしておいた。
すると老婦人、言葉はわからなかったが、マーケットまで案内してくれた。浦島太郎である。

ヴァンヴの蚤の市はとても良かった。ただ絶望的に寒かった。
邪魔になるほど人も多くないし、どの出店も面白いものをたくさん置いていて飽きなかった。
例によって写真を撮ることをしなかったので、その様子を伝えることはできないが、おれのようにヴィンテージ好きならばまるで美術館を廻るようにのんびり楽しめる、そういう雰囲気だった。

おれはそこでこの火事で焼け残ったみたいなお菓子の空き缶と、腐敗しかけのきったない時計を買った。

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時計はとても気に入っている。ベルトが良い。
30€と言われたが、蚤の市は値切ってナンボと聞いていたので、カタコトのフランス語で「モアンシェー、シルブプレ」と言ったら、25にしちゃると言ってくれた。
そのあとよくわからないがまた何か言うので、これも一緒に買うなら安くするとか言ったのかな?と思って、時計と、その横にあったヘンテコな小物をピースサインの形で指差しながら、二つ買えってこと?と尋ねた。
するとオッチャンもおれの言うことがよくわからず、おれの指を見て20にしろと言ってるのだと思ったらしく、結局20€で売ってくれた。
意思疎通がとれないゆえのラッキー5€だった。

ちなみにこの時計は動かない。針がとれている。だがそれでいい。

財布が盗まれて無いので、それらしいのがあればいいなと思って意識していたが、財布の類はあまりなかった。
おれの大好物な、インディジョーンズみたいな革のボストンバッグとかバッグパックがたくさんあったが革のボストンバッグは買ってしまったばかりなのでさすがにガマンした。

三つ目のクリニャンクールへは、ガイドブックに明確な案内があったのでバスを利用して行った。
バスの中も寒くてあまりくつろげなかった。

ここは規模がものすごかった。そして絶望的に寒かった。
だが規模が大きい代わりに、人の数も凄いし、出店者の中に蚤の市を履き違えたただのパチモン屋が多く混ざっていたり、道路がゴミだらけだったりしてあまり良くなかった。
行く価値があるのは、マルシェ・ヴェルネゾンのエリアだけだろう。
あそこは静かだし、迷路のようになっていて楽しい。
特に何かを買うことはなかった。

バスは寒すぎたので帰りはメトロにしようとクリグナンコート駅を目指した。
道中、青物市の跡か何か知らないが、道路が猛烈に散らかっていて、見れば歩いている人も黒人やラテン系のジャージ姿の男が多く、なんだか怖くなって足を速めた。

駅に着いた時は16時前だった。
まだ時間があるので、どこか他のエリアに行こうと思って、一度マックに入り腹ごしらえしながら考えた。
するとクリニャンクールからはモンマルトルが歩ける距離にあることに気づいたので、昨日行ったときはダリも見れなかったし、バタバタしてゆっくり散策もできなかったので、リベンジに行ってやろうという気になった。

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途中で見かけた線対称な路地

北から丘を登ることになったので、三日目とは違うルートを歩くことになった。
通りの名前はわからないが、見晴らしが良く、落ち着きのある石階段だった。

今回は驚くほどあっさりダリ美術館に辿り着けた。
ダリ美術館の表には、広場と言うには小さいぐらいのスペースに植木とベンチがあって、少し離れたところにはストリートミュージシャンがいたりした。雑踏もなく、物思いに耽るに心地よさそうなところだった。

ダリ美術館は無料にならなかったが学割が効いた。
中はこじんまりしていて、展示物は銅像が中心だった。軽く観て回るのにちょうどよかった。
出たところに例の5セント玉をひねりつぶしてメダルを造る機械があったので回してやった。おれはこれが大層気に入っていた。
絵柄も4種類ぐらいから選べるし、プレスする歯車はハンドルで回すので、チョットした唯一無二感が得られるのである。
凱旋門にあった、硬貨を入れれば自動でメダルが出るやつは嫌いである。あれは悪しき物質主義の表れである。

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この写真は今回の旅のベストショットかも知らん。お手本のような構図である。

気分が良かったので、のんびりと丘を降り、風俗通りを冷やかしながら歩いて、このままセーヌ川のほうまで行ってしまおうという気になった。

完全に日が暮れていたので、人通りの少ない路地は避けて歩いた。
途中、暗がりに高速スクワットをしながら祈りを捧げている男がいて、めちぇあめちぇあ怖かった。きちがいの人間、それはもうほとんどオバケである。もしかしたら本当にオバケだったかも知れない。

最終的にラ・ファイエットを覗いたりしたらへんで人ごみに疲れ、メトロに乗ってホテルに帰った。
メトロの中でものすごい音漏れしてるオッチャンがいて、気づかないのかな~と思って見てたら、その人はそもそもイヤホンをしておらず、普通にiPhoneのスピーカーで音楽を楽しんでいるだけだった。
自由すぎると思ったが、音漏れ程の音量で楽しむ配慮を思うと、複雑な気持ちになった。