パリ旅行記 一日目 withせいちろ編
RYANAIRというアイルランドの爆安航空会社を利用したため、降ろされた空港はパリまでバスで一時間半のド田舎、軍事基地みたいな空港だった。
RYANAIRは、爆安な代わりに、チケットを事前に印刷しておかなかった人たちから罰金をとったり、無料を装った機内販売で利益を補おうとしている極悪航空会社である。
これは飛行機から見たフランスの景色。地上絵とかありそうな田舎ぶりである。朝焼けがエモい。
空港からバスでパリ市内へ。ひこうき雲がエモい。
バスを降りたところで、松野せいちろと合流した。
松野せいちろとの馴れ初めは小学生の頃まで遡る。父親が共に銀行員であるという共通点から意気投合し、今日に至るまでなんやかんやで仲良くやってきた。
彼は昔からどちらかといえば外国に行きがちな子供で、おれの年賀状はいつまでたっても毎年ペイントソフトで描いた落書きだったにもかかわらず、彼の年賀状はいつもエキゾチックな風景の写真だった。ちなみに福田俊也くんの年賀状は毎年、写真屋さんで撮ったであろう俊也くんと彼の兄弟の写真だった。そして誰よりも紙質がしっかりしていた。
そんな彼であるからパリなど5回ぐらい行っていて凱旋門の内側に名前の一つでも刻んでいるのかと思っていたが、意外にも今回で2回目とのことだった。
まずは、いくつかのパリ観光地の中から無作為に選んだ凱旋門(確率は同様に確からしいものとする)に向かった。
とりあえず景気づけに凱旋してやるぞ、そういう魂胆であった。
凱旋門の前で現地人を気取る誠一郎君(東京都・21歳)
黒のトレンチコートがナウい。天気は五日間ともとてもよかった。
凱旋門は上ることもできるというので、さればとて(そうであるならばと言って)上ることにした。
しかし空港から直接来てクソデカ荷物を持ったままだったおれは入場を断られてしまった。せいちゃんが荷物を置きに行かなくていいの?と再三気にしてくれていたのに、筋トレだから大丈夫大丈夫、などと言って無下にし続けた結果がこのざまである。
ということで、凱旋門はまた夜に来ることにして、一旦ホテルに荷物を置きに行った。
次はせっかくだからせいちゃんもまだ行ったことがない所へ行こうということで、オペラ近辺にあるパッサージュを目指すことにした。
パッサージュとは、旅行案内誌「タビトモ」によれば、"19世紀のパリで、雨後のタケノコ的にできたアーケード"で、昔ながらの庶民的な店が並んでいるらしい。
日本人のパリ的イメージを想起させようとして捻り出した形容句が「雨後のタケノコ的」とは、世も末である。
その前にオペラ駅近くのカフェで昼食をとることにした。
オペラ駅を出るとすぐ背後に「オペラ座」として知られるオペラ・ガルニエがある。
この写真は、駅を出てオペラ・ガルニエを見ようと振り向こうとしたら「その前に一枚写真撮ろう」と言われてムズムズしながら硬直している様子とかでは特にない。
豪遊
テラス席は、天井にストーブがついているので心地よい暖かさがあった。
1664はフランスのビール。ほのかな柑橘系の後味が爽やかでとてもオイシイ。
欲張って一番良い奴を頼んだが、途中でお腹いっぱいになるし、肉は冷めてどんどん硬くなってゆくので、食べ切るのに苦労した。
せいちゃんはせいちゃんで、安定感ゼロのバーガーを前に悪戦苦闘した結果マフラーを汚していた。
パッサージュまでは歩きで向かった。
パリは歩いているだけで楽しい。太陽は南の低空を移動するだけなので、一日中斜陽のような光の映し方をするのがまた景色を美しく見せた。
パッサージュは陰気で寂しいような雰囲気のアーケードが思ったよりも長く続くのみで、初日に来るもんじゃないなこりゃと思った。
おれはここを中野ブロードウェイ、パリ支店と名付けた。
道中で見かけた、ツリーの素(もと)。
おれの好きな映画「ミッキーとクリスマスの贈り物」でミッキーが売っていたやつ。
この作品内で、ミッキーの上司であるピートは自身のタバコの不始末が原因で、臀部に軽いやけどを負い、さらには彼の職場が全焼する。
エモい写真。おれはこの遠くに見える人が乗った塔をひどく気に入るが、結局名前が分からず辿り着けなかった。
ひどく気に入った様子の杉山君(東京都・20歳)
その後はセーヌ川沿いをウロウロして、ルーブル美術館のある広場でパノラマ写真を練習したり、ミッドナイトインパリ風の写真を撮るのに熱中しているうちに日が暮れた。
旅行中一枚は撮りたい「すしざんまい」
パノラマ写真あるある
人間がルイージみたいな顔になりがち。
日が暮れる五時半頃、せいちゃんは夏のインターンで会った、現在パリに留学中の女の子と茶をしばく約束をしてあったというのでおれも付き添った。
おれからしてみれば「誰やねん」という感じだったが、彼女からしても「誰やねん」という感じだったに違いないので、それ相応の距離感で妙な時間を過ごした。
シャンゼリゼ通りのクリスマスマーケットでホットワインを飲み、その娘が異様にゴリ推しするアバクロを覗いて、マックのトイレに行って別れた。
なんとなく悪いことをした気持ちになったが、せいちゃんはヘラヘラしていたので、まあいいかと思った。
そして凱旋門に上った。螺旋階段で貧血になって死んだ。
凱旋門から放射状に延びる道路が綺麗だった。
今回の旅行は一眼が欲しくなる旅行だった。
降りる時はゴキゲンの杉山君(東京都・20歳)
最後にノートルダム大聖堂を見にシテ島へ。
道に迷って裁判所の周りを嘗め回すように一周してしまう。
ものすごい大きい。ペーパーマリオRPGっぽい。(台無しな感想)
そのまま近隣の安い飯屋で飯を食い、一日目は終了した。
安い飯屋だったので、前菜のオニオングラタンスープ以外はオイシクなかった。
なんだかんだ時刻は十時を回って、凍えるように寒かった。
最後にメトロの前で記念撮影をして解散。
右の男は翌日からの一人旅を思うと寂しくて泣き出しそうである。
ちなみにこの後すぐ線路を挟んだ駅のホームで再会した。
RYANAIRは、爆安な代わりに、チケットを事前に印刷しておかなかった人たちから罰金をとったり、無料を装った機内販売で利益を補おうとしている極悪航空会社である。
これは飛行機から見たフランスの景色。地上絵とかありそうな田舎ぶりである。朝焼けがエモい。
空港からバスでパリ市内へ。ひこうき雲がエモい。
松野せいちろとの馴れ初めは小学生の頃まで遡る。父親が共に銀行員であるという共通点から意気投合し、今日に至るまでなんやかんやで仲良くやってきた。
彼は昔からどちらかといえば外国に行きがちな子供で、おれの年賀状はいつまでたっても毎年ペイントソフトで描いた落書きだったにもかかわらず、彼の年賀状はいつもエキゾチックな風景の写真だった。ちなみに福田俊也くんの年賀状は毎年、写真屋さんで撮ったであろう俊也くんと彼の兄弟の写真だった。そして誰よりも紙質がしっかりしていた。
そんな彼であるからパリなど5回ぐらい行っていて凱旋門の内側に名前の一つでも刻んでいるのかと思っていたが、意外にも今回で2回目とのことだった。
まずは、いくつかのパリ観光地の中から無作為に選んだ凱旋門(確率は同様に確からしいものとする)に向かった。
とりあえず景気づけに凱旋してやるぞ、そういう魂胆であった。
凱旋門の前で現地人を気取る誠一郎君(東京都・21歳)
黒のトレンチコートがナウい。天気は五日間ともとてもよかった。
凱旋門は上ることもできるというので、さればとて(そうであるならばと言って)上ることにした。
しかし空港から直接来てクソデカ荷物を持ったままだったおれは入場を断られてしまった。せいちゃんが荷物を置きに行かなくていいの?と再三気にしてくれていたのに、筋トレだから大丈夫大丈夫、などと言って無下にし続けた結果がこのざまである。
ということで、凱旋門はまた夜に来ることにして、一旦ホテルに荷物を置きに行った。
次はせっかくだからせいちゃんもまだ行ったことがない所へ行こうということで、オペラ近辺にあるパッサージュを目指すことにした。
パッサージュとは、旅行案内誌「タビトモ」によれば、"19世紀のパリで、雨後のタケノコ的にできたアーケード"で、昔ながらの庶民的な店が並んでいるらしい。
日本人のパリ的イメージを想起させようとして捻り出した形容句が「雨後のタケノコ的」とは、世も末である。
その前にオペラ駅近くのカフェで昼食をとることにした。
オペラ駅を出るとすぐ背後に「オペラ座」として知られるオペラ・ガルニエがある。
この写真は、駅を出てオペラ・ガルニエを見ようと振り向こうとしたら「その前に一枚写真撮ろう」と言われてムズムズしながら硬直している様子とかでは特にない。
豪遊
1664はフランスのビール。ほのかな柑橘系の後味が爽やかでとてもオイシイ。
欲張って一番良い奴を頼んだが、途中でお腹いっぱいになるし、肉は冷めてどんどん硬くなってゆくので、食べ切るのに苦労した。
せいちゃんはせいちゃんで、安定感ゼロのバーガーを前に悪戦苦闘した結果マフラーを汚していた。
パッサージュまでは歩きで向かった。
パリは歩いているだけで楽しい。太陽は南の低空を移動するだけなので、一日中斜陽のような光の映し方をするのがまた景色を美しく見せた。
パッサージュは陰気で寂しいような雰囲気のアーケードが思ったよりも長く続くのみで、初日に来るもんじゃないなこりゃと思った。
おれはここを中野ブロードウェイ、パリ支店と名付けた。
道中で見かけた、ツリーの素(もと)。
おれの好きな映画「ミッキーとクリスマスの贈り物」でミッキーが売っていたやつ。
この作品内で、ミッキーの上司であるピートは自身のタバコの不始末が原因で、臀部に軽いやけどを負い、さらには彼の職場が全焼する。
エモい写真。おれはこの遠くに見える人が乗った塔をひどく気に入るが、結局名前が分からず辿り着けなかった。
旅行中一枚は撮りたい「すしざんまい」
パノラマ写真あるある
人間がルイージみたいな顔になりがち。
日が暮れる五時半頃、せいちゃんは夏のインターンで会った、現在パリに留学中の女の子と茶をしばく約束をしてあったというのでおれも付き添った。
おれからしてみれば「誰やねん」という感じだったが、彼女からしても「誰やねん」という感じだったに違いないので、それ相応の距離感で妙な時間を過ごした。
シャンゼリゼ通りのクリスマスマーケットでホットワインを飲み、その娘が異様にゴリ推しするアバクロを覗いて、マックのトイレに行って別れた。
なんとなく悪いことをした気持ちになったが、せいちゃんはヘラヘラしていたので、まあいいかと思った。
そして凱旋門に上った。螺旋階段で貧血になって死んだ。
凱旋門から放射状に延びる道路が綺麗だった。
今回の旅行は一眼が欲しくなる旅行だった。
降りる時はゴキゲンの杉山君(東京都・20歳)
最後にノートルダム大聖堂を見にシテ島へ。
道に迷って裁判所の周りを嘗め回すように一周してしまう。
ものすごい大きい。ペーパーマリオRPGっぽい。(台無しな感想)
そのまま近隣の安い飯屋で飯を食い、一日目は終了した。
安い飯屋だったので、前菜のオニオングラタンスープ以外はオイシクなかった。
なんだかんだ時刻は十時を回って、凍えるように寒かった。
最後にメトロの前で記念撮影をして解散。
右の男は翌日からの一人旅を思うと寂しくて泣き出しそうである。
ちなみにこの後すぐ線路を挟んだ駅のホームで再会した。