アイスランド 2日目 ゴールデンサークル編
二日目はゴールデンサークル観光。
ゴールデンサークルとは、レイキャビク周辺に位置する大自然的観光スポットの総称。
日帰りで気軽に観に行ける。
アイスランドの観光は基本的にツアー、でなければレンタカーを借りて自分で周るしかない。
アナザースカイで高良健吾がアイスランドに行った時は、レンタカーを自ら運転していた。
ちなみにオサレ系旅番組として知られるアナザースカイだが、人気タレントが「ここ来てみたかったんすよw」という安直なTourist的理由でその国を「ここがぼくのアナザースカイ」とし、普通にスタッフと一緒に観光して終わるという、番組のコンセプトとは全く異なる、これどうなの?という回がたまにある。
高良健吾の回は間違いなくそれであった。
ツアーはお金がかかるし、おれは協調性がないので、本当はレンタカーが良かったが、一昨日バックパックを購入したばかりのミジンコがひとりで冬のアイスランドに繰り出したら十中八九遭難して死ぬと思ったので、止しておいた。
ツアーは事前に予約したもので、バスがホテルの前まで迎えに来てくれることになっていた。
しかし、待てども待てども一向にお迎えが来ない。
一緒に待っていた人々は次々と他のツアー会社のバスに乗って行ってしまう。
最終的に外で待つのはおれとイギリス人らしき兄ちゃんだけになった。
さすがにおかしいとして、彼が電話をすると「迎えには行ったが、当人を見つけられなかった」と説明されたという。そんなはずはない、彼もおれも時間通り外で待っていた。
問答の末、彼には新しく迎えの車が来るとのことだった。
しかしおれがこの兄ちゃんと同じツアー会社参加とは限らないので安心はできない。
不安に苛まれても、おれの携帯電話はアイルランドでしか使えないポンコツなので電話はできない。
メールを見ると、「迎えには行ったが、当人を見つけられなかった」のメッセージがおれにも残されていた。
おまえーっ!人間がなーっ!バッタをなーっ!ゆるさーん!
「私はまだ待っています」というせつないJ-POPの歌詞みたいな内容のメールを急いで送る。
しかし返信はない。
焦燥のあまり泣きそうになりながら電柱に頭を打ち付けていたら、迎えが来る。
が、ダメっ...!無情にも、バスはイギリス人の兄ちゃんだけを乗せて行ってしまった。
ああちょっと待ってくれ、おれもそれに乗せてくれ。おいそこの空席に鞄置いてんじゃねぇーーー!藤原基央が叫んだ。
最初はちょっと不愛想だった兄ちゃんも、最後はめっちゃすまなそうな顔でこちらに手を振っていた。
運転手におれのツアー会社の名前を告げると「さっき来る途中でそのバスを見た」などと慰めを言っていたが、もう来るわけがないと思った。これはアレだ、来ない時のアレだと思った。
何度か追って連絡したが返信はないので、メールはあてにならんとして、ホステルに電話を貸してくれないか聞いたら、入口にある内線みたいなのがローカルで使えるという。
もっと早く電話ができたではないか畜生、と思いながら受話器をとって番号を押すと、わけわからんアイスランド語の機械音声が流れ、絶望して切った。
その時におれの気持ちも完全に切れて、部屋で不貞寝しようかと思ったが、それはあまりにも惨めである。
数分の放心の末、思い直し、当日申し込みで参加できるツアーを探し、ホステルの人に電話で予約してもらった。
余計に金がかかるが、仕方ない。アイスランドまで来て一日何もしないほうが勿体ない。
しかしそういう覚悟とは裏腹に、後日そのツアー会社、ではなくツアー予約を請け負う中継会社から連絡が来て、メールに返信できなかったのは我々の落ち度ですという旨の懇切丁寧なメールを伴い、料金は全額返金となった。
ウッホホイ!と胸を叩いたことは言うまでもない。
その後その会社からは二回ぐらい「今回のご利用はどうでしたか!?」というアンケート催促のメールが来たが、別段褒める必要のあることでもないので無視した。
新しく予約したツアーには問題なく参加することができた。
巨大なツアーバスは満員御礼であった。
最初に行ったのはシングヴェトリル国立公園。
このように大地の裂けた痕が広がっているのがスゴイらしいが、正直寒すぎてそれどころではなかった。
次はグトルフォスの滝。
しかしまずは何か食べないと死ぬと思って、滝はそっちのけで飯を食う。
ラム肉のシチューとリンゴ。
このシチューが豚汁みたいで非常にうまかった。うまあじ。
極寒の地で食う温かいスープの神々しさを知った。
内側から生命力が漲るのを感じた。お代わり無料だったので、無理して3杯食べて戻しそうになった。ちょっと目から漏れた。
そしてリンゴもなぜかめちゃめちゃジューシー。大きさも野茂英雄のこぶし大ぐらいあった。
アイスランドでリンゴが育つわけないので、まったく不思議である。
「イントゥ・ザ・ワイルド」のこのシーンを思い出しながらむしゃむしゃ食べた。
「イントゥ・ザ・ワイルド」は、ある実在のバックパッカーをモデルに描いた映画である。
少し長いけど、観た後は各々思うことがあるであろう、面白い映画で、お父さんなどは好きそうなのでネプソンと一緒に休日に観ると良いと思う。
食うもの食ったので、出すもの出しにトイレへ行くと、こんな張り紙が。
ソクラテスが殺されたのも納得である。
ウンチをして、お腹も膨れて元気になると、青空も顔を出し始めた。
360度見渡す限りの大自然。さすがに壮観である。
ちなみにおれはこの廊下で二回すっころんだ。
そしてこれが滝。
まったく景気の良い滝である。
ここは体調も天気も良かっただけに満足だった。
のんきにおみやげなど見ていると、バスの集合時間におもきし遅刻し、ひんしゅくを買った。
パンクチュアルな日本人代表として気をつけねばならない。ここはアイルランドではないのだ。
次はゲイ・シールの間欠泉。泉から突如として熱湯が噴き出す、有名なアレである。
ここは行っときたあい!
ちなみに出川哲郎がしゃぶしゃぶをしたのは同じアイスランドの間欠泉でもストロックルというところ。
まだ天気は良さげ。
アニメの温泉回並みにそこらじゅうから湯煙が立ち上る。
足を止め、耳をすませば(1995)、ぐつぐつと音がする。「こいつが地球の鼓動ってやつか!」杉山氏はご満悦であった。
メインの間欠泉は、10分に一度ぐらいの間隔で噴き出すとのこと。
みんなスマホを構えてその時を待っていたが、おれはめんどっちいので自分で撮ることはしなかった。
ボーーーーーーン!!
画像お借りしました。
「2016 2/20 アイスランド 大迫力の間欠泉「ゲイシール」 [アイスランド]」『地球のつまずき方 - 海外女子一人旅』
http://currentaffairs.blog.so-net.ne.jp/2016-03-31
歓声が上がる。
ずっとスマホを構えていた韓国人の女の子を後ろからこっそり気にしていたが、全然上手に撮れておらず「まはーーーーーん」とか言って友達と残念がっていて面白かった。
癇癪もちが爆発した時のような一撃であった。まったく突然起こった。
勢いよく噴き出した後は、煙のようにもくもくと漂って消えた。
バクハツの前でポーズをとったら、戦隊ヒーローみたいな写真が撮れて面白そうだったが、知らない人にカメラを構えてもらった前で、下手したら10分間戦隊ヒーローのポーズをし続けなければならないので、さすがに断念した。
水の透明度が高く、泉の中が見える。
奥が洞窟のようになっていて、これが繋がる所を想うことは男の子としてそそるものがあった。
その後突然猛烈にふぶきだして、建物に逃げ込む。
レストランに飾ってあった。
アイスランドには、「Glima」という、レスリングの類の国技があるらしい。
画面中央のブルース・リーのような肉体が見事である。
中央右の男たちは、三人とも不自然に両乳首の見えるランニングシャツを着ている。
試合中に裂けたのか、単にホモなのか、謎である。
これでゴールデンサークル観光はおわり。なかなか良いもん見させてもらった。
この後レイキャビクに帰って街中を歩き回るが、画像容量の関係で一記事内に収まらなかったので次に回す。
これだからヤフーブログはユーザーが減少する一方なのである。