尾ひれ100%ブログ

服に7つのシミを持つ男プレゼンツ

本当に元気が出るプレイリストがないから自分で作った(前編)

皆さんは元気がない時、どうしますか?

 

留学先でのディスカッションでそういう議題があったときに、周りがノリノリの曲を聞くとか友達と飲むとか答える中僕は、「憂鬱な感情を噛み締めて楽しむ」と答えて怪訝な顔をされたことがあります。

 

憂鬱な感情は、それに浸り切った時、たしかに少し気持ち良かったりするのはわかるでしょう。

ノリノリの曲を聴く、というのは僕にはよくわかりません。

Spotifyで「元気が出る曲」という人気のプレイリストがあったので開いてみたところ、「ワタリドリ」や「Pretender」などが並んでいて意味不明だと思いました。

それはカラオケで歌って盛り上がる曲であって、元気のない時には聴く曲ではありません。不正解です。

 

こんなことではいかん、本当に元気のない人が、どうにか元気を出そうと藁にもすがる思いでこのプレイリストを開いたらきっと自殺をしてしまいます。

 

そこで僕が本当に元気の出る10曲で構成されたプレイリストを作りました。

題して、「生きる活力、希望の歌。」

生きる活力、希望の歌。 - playlist by Ryo | Spotify

なぜ笑うんだい?

 

集めた曲のコンセプトは、もちろん元気がない時に聴きたい曲でありながら、悲しい気持ちに向き合わないただノリノリなだけの曲でもなく、反対に悲しい気持ちに浸って傷を舐めるような曲でもない、悲しい気持ちをしっかり見つめて、それでも前を向く(ROOTS)ための曲です。

 

 

01 | 鬱くしきOP〜月の爆撃機〜 - マキシマムザホルモン

ブルーハーツの名曲「月の爆撃機」の冒頭の一節を、マキシマムザ亮君がカバーした短い一曲です。

 

ここから一歩も通さない

理屈も法律も通さない

誰の声も届かない

友達も恋人も入れない

 

と亮君が自身のギターで歌った後、ナヲのドラムが4回カウントを鳴らして終わりという構成です。

もともとホルモンのアルバム「予襲復讐」ではシングルカットの「鬱くしき人々のうた」の前に収録されたタイトルということもあり、曲名通りその次の曲へ続く「入り」としての位置付けです。

ブルーハーツの原曲も最高ですが、こちらも良い。

原曲はヒロトが例によってハキハキとした口調で歌詞がきちんと伝わるように歌う安定した曲調ですが、亮君のバージョンではチバユウスケに影響されたというがなり声で、感情をモロに乗せて歌っているのが良い。

亮君はあのナリで非常に繊細で心が弱いので、よく鬱病になります。

その時の経験は「鬱くしき人々のうた」で歌われています。この曲も名曲です。

そんな彼だからこそ、この歌詞が心に染みたのでしょう。

ここから一歩も通さない 理屈も法律も通さない 誰の声も届かない 友達も恋人も入れない

って良い歌詞ですよね。僕も大好きです。

人間は皆、心の奥に、自分だけの世界があるものです。理屈も法律も関係ない、根源的な悲しみはそこにあって、誰にもわかるはずのものではないんです。おれは今、これから心のその部分にあるものをオマエらに歌にして伝える、という亮君の叫びがエモいですよね。

 

ちなみにマキシマムザ亮君鬱病で偏屈なので、ストリーミング配信はありません。

聴きたい人はCDを買うしかないです。

それが彼の「ロック」なので仕方がありません。

 

 

02 | 情熱の薔薇 - THE BLUE HEARTS

言わずと知れたブルーハーツの名曲。ノリノリの方の元気の出る曲に収録されてもおかしくない、カラオケで歌っても最高な一曲です。

最高のサビ、

じょおね〜つの むぁっかなぶぁ〜らを〜

のところは一回しかないので、カラオケではマジで集中して全身全霊を出せる準備をしておかないと後悔が残ります。

一回しかないのもヒロトの「ロック」です。

絶対2回はあったほうが良いのに、一回しかないんです。大切なことはたった一回でも魂込めて言えば十分なんです。

 

この曲で個人的に好きな歌詞はここ

涙はそこからやってくる

心のずっと奥の方

これも1曲目の「鬱くしきOP」もとい「月の爆撃機」に通じるところがありますね。

根源的な悲しみが宿るところ、心のずっと奥の方。

そしてそこに薔薇を咲かせるんです。真っ赤な薔薇を。

情熱の真っ赤な薔薇を

胸に咲かせよう

花瓶に水をあげましょう

心のずっと奥の方

元気出ちゃうよ。思い出すよ、情熱を。

 

正直その他の歌詞はよくわかりません。

なるべく小さな幸せとなるべく小さな不幸せをなるべくいっぱい集めるところなんか、吉良吉影かな?と思ってしまいます。

でもヒロトの一生懸命な野太い歌声が心に響くんです。その歌う姿勢というか、だって人に情熱を灯そうとしかしていないじゃないですかあの声は。

あれであのサビ聴いたら元気が出ちゃうはずです。

 

 

03 | 迷子犬と雨のビート - ASIAN KUNG-FU GENERATION

ここからちょっと毛色が変わります。

この曲で僕と同じように元気を出したいなら、まずは名作アニメ「四畳半神話体系」を観てください。

https://www.netflix.com/title/80169679?s=i&trkid=13747225

 

観終わりましたか?

めちゃくちゃ面白かったですよね。このアニメも元気がない時に観たいアニメです。

そうです。このアニメのオープニングテーマです。

このアニメが最高なことにより、もともと最高なアジカンの曲にさらなる「最高パワー」が加わりこの上なく最高になっています。

 

この曲で僕が個人的に好きな歌詞はここです。

 

僕たちの現在を 繰り返すことだらけでも

そういつか君と出会おう

そんな日を思って日々をいこう

 

良いですよね。わかるかい?

この曲で一貫して歌われていることは、四畳半神話体系の物語通り。

四畳半が象徴する自分の根城にひきこもり、人生はつまらないと憂鬱を募らす主人公そのもの。

このままつまんねー毎日が一生続くんじゃねえかって誰もがふと思うような不安だと思います。僕もそう。

そんな気持ちに落ち込んだ時も、この曲は明るく、それでいてちょっとユーモアな感じで、そんなのナントもないさって感じで言ってくれる。

いつか君と出会おう、そんな日々を思って日々をいこうと。

ラストのサビではこう言い直される。

夜の 街角の土砂降りになって

震える迷子犬も

きっとはにかんで笑う

そんな日を思って日々をいこう

素敵な歌詞だ。僕たちは迷子犬だったのかい、と。僕たちが迷子犬だったのかい、と。

「はにかむ」という日本語がまた良いですよね。

僕の素敵だと思う日本語ランキング1位です。最下位は「轢き逃げ」です。

はにかむ時って、絶対幸せじゃないですか。小っ恥ずかしいけど、嬉しい気持ちが顔に出ちゃうみたいな、そういうどうしようもなく大切な気持ちをうまく表した日本語だと思います。

 

 

04 | 仲間のうた - ザ・マスミサイル

仲間のうた

仲間のうた

ここへ来てマスミサイルです。いいんです4曲目はこれで。

前の3曲を歌うアーティストに比べて知名度が低いかもしれません。

知っている人は知っている、ださくて最高なバンドです。

系列的にはブルーハーツの流れを汲む青春パンクバンドで、小学生に語りかけるような平易な言葉で大事なことを大きな声で言います。

「今まで何度も」という曲がナルトのEDでした。

 

この曲も、僕が感じる100%の魅力を感じたい場合、以下のMADを見てください。

こちらのMADは四畳半神話体系のMADになるので、かならず四畳半神話体系のアニメを最後まで見てから視聴するようにしてください(離脱率80%の発言)

http://www.nicovideo.jp/watch/sm16549028

 

見終わりましたか?

わかります。最高でしたね。

この曲のための物語か?というぐらい映像と曲がマッチしていたと思います。

一番良いのは2:35〜のここです。

つらい恋も

伝説に残る失恋も

つらい友情も

空前絶後の裏切りも

その人に出会わなかった生活より

ずっとよかった ずっとよかった

ずっとよかった

(オウイエオウイエオイエ!→本当は〜〜)

ここです。

辛いことがあって落ち込んでいる。ただ、それに関わるすべてのことがなければよかったか?そんなことはない。辛いこともあったけど、それ以上に幸せなこと楽しいことがあったし、何よりその辛かったことがなければ今の自分はいないんです。

僕はこれを初めて聞いた時天才かと思いましたね。他にこんなこと言ってる人聞いたことなかったので。

こんなこと当たり前だろという人、もしくはいやなかった方が良いだろという人、もちろんいると思います。

その人はこの曲では元気にならないと思います。すみません。アニメとMAD動画まで観ていただいたのに。

 

 

05 | ええねん - ウルフルズ

ええねん

ええねん

5曲目は元気の塊みたいなバンドの元気の塊みたいな曲名です。

結局こういうのが一番刺さるんです。

だいたい曲名から想像がつくとは思いますが、何をしたってそのままでええねんということを、いろんな具体例を交えながら何度も何度も繰り返し教えてくれます。(例: 気持ちよければええねん、何かを感じていればええねん、など)

 

単純な手法ですが、トータス松本の底抜けに明るい歌声とあったけ〜歌詞、そして変態的に完成度の高いギターサウンドも相まって最高な元気ソングに仕上がっています。

この曲に関してはすべての「ええねん」が良いので、どこか一部の「ええねん」を引用することはしません。

この曲を知っている人も改めて、歌詞を噛み締めながら是非通して聴いてみてください。

アニメ「日常」が好きな場合は、こちらも最高なので見てください。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm18367295

 

 

後半へ続く