おうち時間
おうち時間、とはきもい言葉だが、今まで意識的に確保することのなかった家での時間という意味では、確かに今までなかった概念なので、時代に合わせて生まれたこの言葉は、他の何物でもない事柄を指す点において無下にできない正統な言葉だと思う。
もともと出不精なおれにとって、このおうち時間はさしたる新鮮さをもたらすこともないと思っていた。
おれは人混みも飲み会も苦手なので、休日に出かける用事といったらみほきちと昼間に買い物に行くか、犬の散歩に行くぐらいで、外出自粛と言われても何を我慢するでもない生活を送っている。
しかし、世の中の人の動きが変われば、回り回っておれのところでもその影響を受け取って生活が変化するようだ。
みほきちは最近配信活動を始めたし、おれの方も何か許しを得たようにスプラトゥーン熱が再燃したり、fireTVを買ってみたり、楽器を弾いてみたりするようになった。
それは世の中にそういうコンテンツが以前よりも増えて、盛り上がるようになったからだろう。
おれも知らず知らずのうちに影響を受けている。
スプラトゥーンの配信用にキャプチャボードを買った。
必要なことだってうまく口にできないおれのことだから、ゲームしながら喋る動画をYouTubeにアップしたりはしていないが、知らない人でもいいからボイスチャットで一緒にオンラインプレイができたらなどと思い始めている。
おれも、ゲームがもう少し上手かったらボイスロイドを使って解説動画とか作ってみたいが、ここ数日何時間も配信してみて、マトモに動画になって見応えのありそうなものが1つもない。
残念である。